【物流担当者必見】TCとDCの違いとは?

皆さんこんにちは。

岡山県岡山市に拠点に、運輸業と倉庫業を中心に、商品の配送・保管・仕分けを一括で手掛けております株式会社まことサービスです。


運送や倉庫管理をしていると、「TCとDCの違いがよく分からない」「どちらを導入すべきか迷っている」と感じることはありませんか?倉庫運営や配送計画を考えるうえで、この2つのセンターの役割を理解しておくことはとても重要です。

実は、TC(トランスファーセンター)とDC(ディストリビューションセンター)では、在庫の扱いや出荷までの流れが大きく異なり、それぞれに適した運用方法があります。


そこで今回は、TCとDCの違いを中心に、物流現場での使い分け方や導入のポイントをわかりやすく解説します。 運送業に携わる方や自社物流の効率化を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。


■TCとDCの役割の違い



物流現場では「TC」と「DC」という言葉が頻繁に使われますが、両者の役割は大きく異なります。どちらも荷物を扱う物流センターであることに変わりはありませんが、在庫を持つかどうか、そして出荷までの流れが異なります。ここでは、TC(トランスファーセンター)とDC(ディストリビューションセンター)の特徴を整理しながら、使い分けのポイントを見ていきましょう。


・TCの特徴

TCとは「トランスファーセンター」の略で、荷物を保管せずに通過させるタイプの物流センターです。メーカーや卸売業者から入荷した商品を、短時間で仕分けし、配送先ごとにまとめて出荷します。例えば、スーパーマーケット向けの配送では、各店舗に合わせて商品を素早く振り分けることで、納品時間の短縮を実現します。TCの最大のメリットは、在庫を持たないため保管スペースや在庫管理コストを削減できる点です。一方、短時間での仕分けや検品など、正確でスピーディーな作業が求められます。


・DCの特徴

DCは「ディストリビューションセンター」の略で、在庫を保管しながら出荷を管理する拠点です。入庫から検品、保管、ピッキング、梱包、出荷まで一連の業務を行い、安定した商品供給を支えます。DCは多くの在庫を持ち、発注に応じて柔軟に対応できるため、ECサイトや小売業など、定期的な補充出荷が必要なビジネスに適しています。ただし、在庫を持つ分、保管スペースの確保や在庫管理システムの運用など、コストや設備の負担が大きくなる点がデメリットです。


・TC・DCの使い分け方

TCはスピード重視、DCは安定供給重視と考えると分かりやすいでしょう。例えば、生鮮食品のように賞味期限が短く、日々の配送が多い商品はTCが向いています。一方で、メーカー製品や日用品など、一定期間保管が必要な商品はDCが適しています。企業がどちらのセンターを活用するかは、物流戦略・コスト構造・顧客ニーズによって異なります。両者の特徴を理解することで、より効率的な物流体制を構築できます。


■物流現場でのTC・DCの流れ



物流センターでは、入荷から出荷までの工程が明確に分かれています。TCとDCでは、この流れや作業の内容に大きな違いがあります。ここでは、それぞれの作業フローと、配送効率にどのような影響を与えるのかを整理していきます。


・TC型の作業フロー

TC(トランスファーセンター)は、入荷した荷物を倉庫に保管せず、そのまま仕分けして出荷する仕組みです。たとえば、複数のメーカーから届いた商品を、配送先の店舗別に振り分ける「クロスドッキング(クロスドック)」と呼ばれる方式がよく採用されます。入荷後は開梱・検品を行い、ラベルを付けて仕分け、すぐにトラックへ積み込みます。この流れにより、在庫を抱えずに短時間で出荷が可能です。TC型は、リードタイム(配送までの時間)短縮やコスト削減に効果的で、特に生鮮品や日配品など、時間に敏感な商品の物流で多く導入されています。


・DC型の作業フロー

DC(ディストリビューションセンター)は、入荷した荷物を一度保管し、必要に応じて出荷する形です。まず入庫・検品の後に、商品を棚や自動倉庫に格納します。出荷指示があれば、在庫データに基づいてピッキングを行い、流通加工(ラベル貼りやセット組みなど)を経て梱包・出荷します。この仕組みにより、注文に応じた柔軟な出荷対応が可能となります。特に、ECや小売業など、在庫を一定期間保持する業種で有効に機能しますが、在庫管理や設備コストが課題となる場合もあります。


・配送効率に与える影響

TCは「通過型センター」とも呼ばれ、スピード重視の運用に向いています。一方、DCは在庫を持つことで欠品リスクを減らし、安定供給を実現します。つまり、TCはスピード、DCは安定性が強みです。多くの企業では、この二つを組み合わせて運用することで、効率的かつコストバランスの取れた物流ネットワークを構築しています。運送会社にとっても、荷物の特性や納品先の要件に応じて、最適なセンター運用を検討することが重要です。


■TC・DCの選び方



運送をメインに行う企業にとって、TCとDCのどちらを活用するかは、配送ルートの最適化や納品スピードの改善など、日々の業務にも直結します。ここでは、運送会社の視点から見たTC・DCの選定ポイントを解説します。


・納期やリードタイム重視の場合

納品までの時間を最短にしたい場合は、TC(トランスファーセンター)が適しています。入荷した荷物を通過させるだけの仕組みなので、保管時間がほぼなく、入荷から出荷までのタイムロスを抑えられます。特に、食品・医薬品・季節商品のように鮮度や販売期間が限られる商材では、TC型運用によるスピード配送が効果的です。さらに、出荷量が多い繁忙期にも柔軟に対応でき、トラックの稼働効率を高めることができます。ただし、作業工程が短い分、仕分け精度や配送計画の管理が求められます。


・在庫管理コストを抑えたい場合

DC(ディストリビューションセンター)は在庫を保有する仕組みのため、在庫コストが発生しますが、需要変動に強いという利点があります。需要が安定している商品の場合、まとめて入荷して必要なタイミングで出荷できるため、トラックの積載効率を上げ、配送ルートを計画的に設定できます。結果として、輸送コストや無駄な運行を削減しやすくなります。反対に、在庫回転率が低い商品やスペース効率を重視する場合は、TCを活用した方が経済的です。


最終的には、取り扱う荷物の性質、納品先の要件、物流コストのバランスを見極めて選ぶことが大切です。運送会社にとって、TCとDCを適切に組み合わせることで、配送リードタイムの短縮とコスト削減を同時に実現することが可能になります。


■その他の物流センターとの違い



TCやDC以外にも、物流業界ではさまざまなタイプのセンターが存在します。近年はEC需要の拡大や多品種小ロット化により、より柔軟な物流拠点の活用が求められています。ここでは、代表的なセンターの特徴とTC・DCとの違いを紹介します。


・PDC・FC・PCとの違い

PDC(プロセスディストリビューションセンター)は、商品の流通加工を専門に行うセンターです。たとえば、ラベル貼りやセット組み、検品など、店舗や出荷前に必要な加工工程を担います。これにより、納品先での作業負担を軽減し、品質を一定に保つことができます。


FC(フルフィルメントセンター)は、ECサイト向けに特化したセンターで、受注から在庫管理、梱包、出荷までを一貫して対応します。注文データをもとに自動的にピッキング・梱包が行われる仕組みを導入しているケースも多く、在庫精度の高い運用が可能です。


PC(プロセスセンター)は、商品を加工・組立してから出荷するタイプの施設で、食品業界などでは弁当の盛り付けや包装を行うケースがあります。これらはいずれも、DCの在庫型・TCの通過型に加工や出荷準備の工程を加えた発展型といえます。


・クロスドックとの関係

クロスドッキング(クロスドック)は、TC型センターの中核的な仕組みで、入荷した荷物を即時に仕分けし、出荷する方式です。倉庫に保管せず、トラック間で荷物を直接受け渡すため、在庫を持たずに配送リードタイムを大幅に短縮できます。この仕組みは、大量配送を効率化したい運送会社や、複数メーカーの商品を一括配送する小売業にとって非常に有効です。


つまり、TC・DCは物流の基本形であり、PDC・FC・PCやクロスドックは、それらをさらに専門化・効率化した形態といえます。企業は、自社の扱う商品や配送形態に合わせて、これらのセンターを組み合わせて活用することで、より柔軟で高品質な物流ネットワークを構築できます。


■まとめ



TC(トランスファーセンター)は在庫を持たず、入荷した荷物をすぐに仕分け・出荷する通過型センターで、スピード重視の配送に適しています。DC(ディストリビューションセンター)は在庫を保管し、ピッキングや梱包を行う在庫型センターで、安定した供給や柔軟な出荷に強みがあります。


運送会社にとっては、荷物の特性や顧客の要望に応じて、TCとDCをどう使い分けるかが鍵です。スピードを重視する商品はTC、在庫管理が必要な商品はDCを活用すると効果的です。

また、物流DXや自動倉庫を導入することで、作業効率や出荷精度をさらに高められます。自社の物流体制を最適化するには、TCとDCをうまく組み合わせ、コスト削減と顧客満足度向上を同時に実現することが重要です。


■物流でお困りの方は、まことサービスにご相談ください!



まことサービスは岡山市を拠点に、食品や医薬品など温度管理が必要な商品の輸送・保管・仕分けを専門に行う物流企業です。


冷凍・冷蔵・常温すべてに対応可能な倉庫と、自社保有の車両による全国配送ネットワークを活用し、大切な商品を安全かつ確実にお届けします。お客様のご要望に応じた柔軟な配送体制で、緊急対応や繁忙期の追加輸送にも安心してお任せいただけます。


「配送コストを抑えたい」「倉庫や仕分けの運用に課題がある」「急な依頼にも対応してほしい」といったお悩みも、現場の状況を確認したうえで、具体的な改善プランまでまことサービスが丁寧にサポートします。自社スタッフによる直接管理により、運送状況や保管状況の透明性も確保。経験豊富な担当者が、お客様に最適な物流方法やコストプランを分かりやすくご提案します。


また、最新の冷凍・冷蔵設備や安全管理体制を整えており、医薬品や食品など品質保持が求められる商品も安心してお預けいただけます。お客様の大切な商品を守りながら、効率的で信頼性の高い物流を実現することが私たちの使命です。どんなに小さな相談でも、まずお話を伺うことで最適なプランをご提案できる体制を整えています。


あなたの物流課題を一緒に解決しませんか?現場の状況を把握したうえで、スピーディーかつ丁寧に最適な配送・保管プランをご提案します。どんなことでも構いませんので、まずはお気軽にご相談ください。


▼関連記事▼

物流倉庫の課題とは?人手不足・在庫ミスの解決策も解説!

【必見】冷凍食品配送の選び方と効率アップのコツとは?


■まことサービスについて


■安全への取組みについて